2013/02/04

医師としてのビジョン設計戦略① 高校生編

本日は高校生編です。

Q. どの医学部に入るか

医学部には大きく分けて、私立、国立があります。みなさんご存知の通り、大きく異なるのはその学費にあると思います。学費は国立の医学部であれば、6年間で平均350万円私立であれば3300万円とのことです。ただ、地方の医学部に行くのであれば、別に一人暮らしの費用や車の購入費もかかるかもしれません。都内の私立であれば、これらは我慢するとして、アパート代(月10万円として6年で720万円)と、車や保険のお金などを含めて200万円とすれば合計920万円余分にかかります。概算してみますと、私立3300万円、国立1200万円と2000万円程度の差が生じます

あとは東京という立地がこの2000万円に見合かどうかだと思います。

ここで、自分の医学部を卒業してからの進路を考えておく必要があります。

①大学に残って教授を目指す
②開業する
③基幹病院で働く
④とにかく東京で働く
⑤地方で地域医療に従事する
⑥海外で医療をする
⑦その他の職業につく
などが考えられます。

①の場合はやはり母校に残って働くケースが推奨されます
その場合、自分の入学した大学=一生働く職場と考える必要が生じます。もちろん、東京出身で、都内の国立大学に入学してそこで教授を目指すなどがベストなのはいうまでもありません。もっとも悩むのは、東京の出身の人で、地方の国立大学で教授職を目指すか、都内の私立大学に入学して教授を目指すかということになります。もちろん、教授職を目指す上で、いくらでも例外はありますが、母校から教授になる場合は圧倒的に多いと考えます。
つまり、①の場合は2000万円+地方で一生働くと、-2000万円で都内で働くと天秤にかける必要があるということです。
もし、①+④の方でしたら、ベストは都内の国立が学費が安くてすみます。しかし、地方の国立と都内の私立で迷われているようでしたら私立をお勧めします。

②については、開業先の地域の大学で最終的に働いた方がいいと考えられます。
これは研修医になってから、開業先の地域で勤務してもいい思いますし、研修終了後に開業先の大学に入局してもいいと思います。この場合は最終的に開業先に戻れば言い訳で、大学の選択にはあまり関係ないかもしれません。

③については現在は2004年からの初期臨床研修医制度に伴い多様化、また、増加傾向にあるとお思います。
大学の医局に戻らず、臨床研修先の基幹病院にそのまま就職するケースが増えてきているからです。しかし、③を目指している人は臨床研修先が自分の目指す科を得意としている病院を選ぶ必要があるでしょう。その点を考えず、人気の研修病院を選んでしまうと、研修医終了してから後悔してしまう例もあるでしょう。

④、⑤については、地方でも東京でも国立でも、私立でも大学はあまり関係ありません。

⑥卒業後に海外で医療を行いたい場合には、学生の間にUSMLEといって米国の医師免許の勉強をしておく必要があります。これは地道に自分で勉強すればいいだけのことですが、同級生がUSMLEに興味をもっていて、みんなも同じ様に勉強する環境が整っていた方がいいにこしたことがありません。東京大学や慶応大学などは比較的USMLE取得者が多い様なきがします。

⑦その他の職業につく
例えば、厚生省に出向して官僚になったり、マッキンゼーに就職してコンサルタントになる医師は毎年一定数います。このような職業を目指す方はまず、医学部ではなく、文系の学部の方が向いているかもしれません。また、あえて医学部を望むならば、東京大学から上記分野には比較的就職しています。

Q.クラブ活動について
また、医学部に入学するとそのほとんどが部活に入ります。もし可能であれば、中学、高校生の頃に何かしらのスポーツや音楽などをやっていれば、医学生生活を満喫できるに違いありません。また、このようなクラブ活動から人間関係や、臨床研修病院先の先生方と知り合いになれたりすることもありますので、あなどれません。

ちなみに部活の強い、弱い、厳しい、緩いも大学によると思いますので、事前にリサーチしておくといいと思います。

その他には、ボランティアや、クラブの主将、海外経験などは、今後の人生の選択肢を増やしてくれますので、推奨されます。




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