2014/04/08

できる人はメールの返信が早いのか 病院の外来時間の短縮とサイクルタイムを考える

□ できる人はメールの返信が早いのか

私はこの意見に同意です。
なぜなら、メールの返信が早い人=仕事のサイクルタイム(cycle time)が早い人と考えているからです。

サイクルタイムとは、オペレーションで学ぶ経営用語です。
生産性の指標として用いられます。

□サイクルタイムとボトルネックから外来の待ち時間について考える

具体的に眼科外来を参考に考えてみます。



眼科外来で5つの行程があると仮定します。
①Aレジデントによる初診/5分/人
②検査技師Bさんによる視力検査/3分/人
③C医師による診察/10分/人
④薬局での薬の引き渡し/2分/人
⑤会計/1分/人
という流れでレジデント、検査技師、医師は1人ずつしかいないとします。

この場合1日9時間の診療時間で何人の患者さんを診察することができるでしょうか???(8時〜17時まで外来と過程)

解答は(60min×9hours-21)/10+1=52.9
ということで52人/9hoursという計算になります。

さてこれはどのように計算したのでしょうか?
下記の図を参考にしてください



1.一人目の患者さんは会計が終わるまでに21分かかります。
つまり8時21分に帰宅できます。
(5+3+10+2+1)=21min

2.それでは二人目の患者さんはどうなるのでしょうか?
C医師が診察している間に2人目の患者さんはAレジデントの問診(5min)と検査(3min)を終わらすことができますが、C医師の診察がまだ終わっていないために5分間診察室の前で待たなければいけません。

そしてC医師の1人目の診察が終了し、2人目の患者さんの診察がはじまります(8:18)。すると帰宅時間は8時31分になります。(体感の待ち時間は10分)

つまり患者さんの終了時間の間隔は1人目のから2人目の間の時間で10分(8:21-8:31)ということになります。

これは10分おきに患者さんの病院での全ての過程が終了する事を表します。

さて、この10分という数字はどこからくるのでしょうか??

そうです。C医師の診察時間と同じ事に気付くと思います。
C医師の診察の前では常に患者が待機することになるからです。
これをこの行程のボトルネックと呼びます。

つまり、患者さん一人当たりの病院での時間はB医師の診察時間によって決められるということです。

1つの行程に要する時間をサイクルタイム(cycletime)と呼びます。
サイクルタイムはボトルネックにより規定されるわけですから、生産性をあげたり(患者数)、患者の待ち時間を少なくするためにはC医師の診察時間の短縮を行わなければ行けません。

そのためには、ここに、診察補助員をつけるとか、C医師のほかにD医師を導入することでサイクルタイムは短くなり、1日あたりの患者数の増加ならびに、患者さんの待ち時間の減少することができます。

このようにサイクルタイムはボトルネックに起因し、ボトルネックを見つけ出し、改善する必要があることが分かります。


さて、メールの返信に話をもどしましょう。

もうお気づきになられたと思いますが、
メールの返信が遅いと、その人より下流の人の仕事は全て止まってしまいます。

つまり、メールの返信が遅い人は、そのオペレーションにおいてボトルネックとなっているということです。

どんなに忙しくても、このことを理解しているひとは、メールの返信を遅らせたりはしません。

たとえば、熟考が必要な項目の場合は、その旨を明記して取りあえずの返信をします。

また、熟考が必要な内容の場合は送信者の方も、デッドラインを明記するようにすればお互いに仕事のプライオリティを検討した上で、仕事を進めることができます。

私が感心する人では、宵越しメールはしないという人がいます。

つまり、その日に来たメールはその日のうちに何らかの形で返信をするという事です。

私もまねをしてなるべく宵越しメールはしない様に心がけています。


私の経験からも、メールの返信の早い人は仕事ができる印象を持ちます。

次もこの人に仕事を願いしようという気持ちになります。

ですから、私のメールが早くて驚いた人は、暇だから返信している訳ではないという事に注意してくださいね!!!


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