□ 医師にとって留学の意味とは?
近年日本人医師の海外留学は減少傾向にあるといいます。
それでは、医師にとって留学とはどのような意味があるのでしょうか?
医師の留学生活は、日本での大学病院勤務と異なり、基本的には、土日休みの規則正しい生活をすることができます。
勤務医にとって、このような生活は一生訪れず、まるで長期休暇の様に取られることもあります。
しかし、世の中では、サバティカル休暇といって長期休暇を与える企業が増えてきています。
なぜ企業はそのような休暇を与えるのでしょうか?
それは、長期休暇は個人を成長させるきっかけになります。
趣味に打ち込む。見たことのない風景を見る。異国の文化を理解する。
あるいは、起業したり、海外で経営学修士(MBA)や公衆衛生学修士(MPH)を取得したりする。家族と旅行にでかけたり、育児をする。
いずれも、病院の現場にとどまっているだけでは得られない経験です。
一昔前の日本は、多くの医師が海外留学し、個人を成長させるきっかけを得てきました。
病院が多様な個性が輝くイノベーティブな文化を醸成したいのなら、思い切った長期休暇の制度を整えることが必要なのかもしれません。
しかも、留学という形は、完全に休暇をとるのではなく、医療(研究など)というフィールドに残ったまま、様々な経験をすることができます。
病院で、「1年休みたい」と言い出すのは難しい。しかし、留学経験のある人たちが、それぞれの体験や視野の変化に基づいて活躍できるような病院があったら、その病院の競争優位のポジションは確立されるでしょう。
このように病院は、留学を支援する体制作りが必要とされているのかもしれません。